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「自然栽培」は、昨今 広く認知されてきた、これからますます必要な農法です。

今まで作物は、「肥料がなければ育たない」、と考えられてきました。
そして虫がつくと農薬を使って虫を殺し、保護してあげる必要がある、と考えられてきました。

しかし、自然界(野山)に生える木や草花は、肥料がなくても、農薬をまかなくても
生き生きと力強く生き、その生を全うしています。

「自然栽培」とは、これらの自然界にあるべき姿を、
田んぼや畑で再現してみよう、実践してみよう、という農法です。

太陽の恵みと土や水の力、そしてお米や野菜の生命力のみを信じ
作物を育てよう、という栽培方法です。

※平成21年は、大雨・日照不足という天候不順に見舞われました。
その中でも自然が本来持つ力と、山と川の滋養・やさしさをあわせ持ったお米が育ちました。
(写真:平成21年9月14日)

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自然栽培のお米

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従来の慣行農法のお米

【自然栽培について 更に詳しい解説 その1 】

~ 生きものの命は、本来とても力強いものです ~

 

生きものの命は、本来は私たちが考えているよりもずっと力強いものです。厳しい自然界で生きていくための知恵も備わっています。

ところが、栄養を与えれば与えるほど弱くなります。
簡単に栄養が得られるために、地中に深く根を張りめぐらせる必要がありません。そして虫や病気に侵されやすくなります。

自然栽培では、虫や病気に侵される原因を、『土の中に余分な栄養が多すぎる』こと、そして『作物自体が弱くなっている』から、と考えます。
栄養が多いから虫がよってくる、そして弱っているから虫に食べられてしまうと考えます。

【自然栽培について 更に詳しい解説 その2 】

~ 化学肥料・有機肥料は用いません。肥料は「稲わら」のみ ~

 

自然栽培では、自然由来の有機肥料といわれるものであっても使用しません。
代わりに、大量に棄てられることも多い「稲わら」を、全てすき込みます。

有機肥料の中には家畜の糞尿等が多く使われる場合がありますが、その中には家畜が食べてきたもの(場合によっては輸入飼料)や抗生物質・ホルモン剤等が含まれていることもあります。
またお茶の粕や菜種等の場合も、その製造過程で農薬や化学肥料が使われていないかをよく確認する必要があります。

自然栽培では疑わしいものを田畑に持ち込まない代わりに、「稲わら」をすき込みます。
「稲わら」とは、お米を収穫した後に残った茎や葉です。
つまり、前の年に命をまっとうしできた産物です。これらを田植え前に全てすき込み、次の世代の糧とさせていただきます。

【補足説明 ~土・虫と微生物について~】

前述の「稲わら」をはじめとする、自然界で生きる植物は、寿命が尽きると落ち葉のように枯れ、土に還っていきます。「枯れる」ことはあっても、「腐る」ことはありません。


枯れた植物は、虫やたくさんの微生物によって年数をかけ分解され、土に還(かえ)っていきます。これが次の世代を育てる養分となります。

枯れずに腐ってしまう植物は、「栄養が多過ぎるため」と考えられています。
弱り、腐ったために虫や微生物が集まります。虫や微生物は、それらを食べ、土に還(かえ)してくれていると考えます。

農薬をまけば虫や微生物は全て死に絶えますが、有効な菌も死んでしまい、無菌室のような状態となり、かえって病気に対する抵抗力がなくなり病気にかかりやすくなります。

それと同時に、土の水分や栄養分を保持する力を奪ってしまいます。ふかふかだった土はどんどんかたくなり、やがて砂漠化していってしまうこともあります。
「土」は様々な動植物の死骸を微生物が分解してつくられています。1cmの土を作るには、100年~150年の年月が必要だと言われています。

【自然栽培について 更に詳しい解説 その3 】

~ 川や海を守ります ~

 

田んぼや畑から流れる化学肥料・農薬等は、土や雨、空気や水に混じり、やがて川に流れ込みます。そして海に流れ込み、魚介類の体に蓄積されます。
そしてそれらを食べた人にやがて還ってくるという循環が今、引き起こされています。

そんな循環を断ち切りたい、自然栽培にはこのような思いも込められています。

【自然栽培について 更に詳しい解説 その4 】

~ 自然栽培を行う農家を応援してください ~

 

自然栽培は、自然に沿った素晴らしい方法ではありますが、農家の方にとっては、大変な決断が必要となります。

人でいえば、今まで薬や栄養剤で維持してきた体を、いきなりそれら無しで過ごすことと同じことになります。持病を持たれている方にとっては生死に関わる行為になります。
また人間であれば食べ物から栄養を補給することができますが、自然界ではそうもいきません。

今まで化学肥料や農薬を使っていた土地で自然栽培を始めると、最初の年は収量が約半分になると言われています。またその中から約半分が病気にかかるか、虫に食べられてしまう場合もあると言われいます。またその後すぐに元に戻るという保証はありません。

自然栽培に適した土壌・環境になるまでには、その土地の状態にもよりますが、5年~8年かかると言われています。
しかしながらここを乗り越えれば、化学肥料や農薬を必要としない、自然の摂理に沿った素晴らしい農業が可能となります。是非こうした挑戦をしようとしている農家を支え、応援してください。

【参考書籍】

「自然の野菜は腐らない」(河名秀郎著 朝日出版社)

「奇跡のりんご」(幻冬舎)

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